僕は現在大学3年生で、工学部に所属しています。
そんな僕が専攻しているのは、
化学工学
とよばれる分野です。
それが一体どんな内容なのか、今授業で何を勉強しているのか、その辺を話したいと思います!
「化学工学」という言葉を知らない方に、ぜひ読んで頂きたいです!
化学工学って?
そもそも、化学工学ってなんやねんって話です。
皆さんは「化学」と聞いたらどんなイメージを浮かべますか?
こんなイメージをもつ方が多いのではないでしょうか?
今までに無い素材を作ったり、みたいなイメージが強い気がしませんか?
ですが、化学工学はそのような分野とは少し異なります。
化学工学は超ざっくり一言で説明すると、「工場を作る」ことを学びます。
どちらかというと物理・数学的な要素が強い分野です。
化学工学の仕事
先程イメージしてもらったような、新しい物質なんかを作ってくれる人達。
この方々が作ってくれた素晴らしいものは、世間に普及させなければ意味がありません。
そのためには、できるだけ安価で大量に生産する方法を考えなければなりませんよね。
それを考えるのが僕たち化学工学の仕事です。
「どうすれば短時間で反応を起こし、生産のスピードが上げられるか?」
「どうすれば無駄のない生産ができるか?」
そんなことを考えます。
プラントの設計を行う。
化学工学が必要とされる例は、「プラントの設計」です。
プラントとは、簡単にいうと工場のことです。
プラントを作るためには、様々なことを考えなければなりません。
- 物質を反応させるとき、どのようなサイズのタンクを使えば一番効率がいいのか?
- ある温度にタンクを維持したいけど、反応によって熱が出て熱くなってしまう…。どんな冷却器をつければ良いのか?
- 反応させたとき、不要なものが副産物として出てきてしまう…。それを取り除くための装置はどうすればいいのか?
また、環境にも気を配る必要がありますよね。(公害の防止)
こんなところに化学工学が利用されます。
なんとなく化学工学のイメージはつかんでいただけましたか?
【1】反応工学
化学製品は、反応を起こすことによってできます。では、
「一体どのサイズのタンクや反応器を使って反応させれば良いのか?」
「反応が完了するのに、どれくらいの時間がかかるのか?」
そんなことを考えるのが「反応工学」です。
具体的には、反応を数式にすることで、タンクの大きさや反応させる時間などを求めます。
実はこの反応工学、僕が化学工学を専攻しようと思ったきっかけの1つの授業です。
僕が2年生の時、まだ化学工学を専攻する前に反応工学の基礎を勉強しました。
そこで、反応を式にすることができるということ、それを用いていろんな値を求めることができるということ。
そういったことに、大きな面白みを感じました。
【2】プロセス制御
工場では、機械を使って、材料を入れる量や温度を調整します。
僕ら人間はその機械に指示を与えるわけですが、僕らの思い通りにすぐ動いてくれるわけではありません。
例えば、部屋の温度を5℃下げたいという場合、クーラーをつけますよね。
でも、クーラーをつけた瞬間に部屋の温度が5度下がるわけではなく、ある程度時間がかかります。
また、誰かが窓を間違えて開けてしまった場合、温度は意図せず上がったりします。
このように、機械が影響を及ぼすまでの時間だったり、意図していない外乱の影響だったりを理解して、それも考慮にいれた上で機械を制御する必要があるわけです。
それを勉強するのがプロセス制御という授業です。
実に現実的な内容を学ぶことができ、かなり面白いです。
こういった一見複雑に見える現象も、数式で表すことによって、シンプルな形で計算をすることができたりして、興味深く感じます。
【3】プログラミング
上の2つでも書いたように、化学工学は数式を使って色々なことを計算していきます。
ですが、なかには手計算や電卓では解けない式も出てきます…。
そんなときには、パソコンを使って計算すれば多くの計算が可能になります。
そのためには、やりたい計算をパソコンに打ち込まなければなりません。
それがプログラミングです。
現在はVBAと呼ばれるものを使っています。(Excelについているやつです)
これをマスターすれば、どんなに難しい計算でも、コンピューターが勝手にやってくれるようになります!めっちゃ楽!
ただ、始めは仕組みを理解したり、計算手順を考えたりするのが難しくて、
「プログラミングなんて大嫌い!」
ってなってました。
でも、理解が進んでいくにつれて、その記述方法がシンプルな形にまとめられていることに気づいたりして、今は楽しくなってきています。
【4】学生実験
色々な反応方法などをいつも座学で勉強するのですが、
「それって本当にそうなるの?」
ってのを実際にやってみるのが学生実験です。
皆さんが実験と聞いてイメージする通り、白衣を着て、フラスコなどを使って実験します。
これがめっちゃ楽しい!
小さい頃からこういう実験に憧れを持っていたので、それが実現していることがとても嬉しいですね。
今はテキストに則った内容の実験をやっていますが、いずれ企業などに就職して研究職に就いたときには、これまでにない反応を使って工場を考えたりする必要があります。
そのときにいきなり工場を建てるなんてことはできません。
「失敗したらその工場どうすんの?」ってなりますし。
なので、まずは実験室レベルの小さいスケールで実験します。
そのときに「実験ってどうやってやんの?」なんてやつがいたら困るわけです。
将来のための練習にもなっているわけですね。
必ず世界に必要とされる分野。
化学工学という分野は、必ず世界に必要とされるものだと思っています。
(もちろん化学工学に限らずですが、、、)
素晴らしい発明が生まれたとしても、それが世に普及しなければ意味がありません。その架け橋になるのが化学工学だと思っています。
僕自身、今はまだ社会で役立てるレベルにはいませんが、これからも勉強をして、世界の役に立てる仕事をしたいと思っています。